大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)94 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨は、原判決に理由不備の違法がある、と主張する。けれども、係争宅地の占

有権原に関する上告人の抗弁は、右宅地が上告人主張の土地賃貸借契約に於ける目

的物件の範囲内でなく、又同家屋賃貸借契約に於ける目的物件(住宅)の敷地にも

属しなかつたこと、その他原審認定にかかる事実関係の下においては、所論賃貸借

に於ける契約当初の賃貸人が訴外Dであつたか否か等の諸点につき認定判断を為す

までもなくその失当たるを免れないこと明かであり、同旨の見解を表示する原判決

には此の点につき所論違法はない(論旨第一点)。又、原審は所論乙第一、第五号

証の各記載につきそれが作成者Eの不用意に基くものである旨の所謂特段の事情を

認定して居るのであつて、此の点についても所論の違法ありと為し難く(論旨第二

乃至第五点)、更に、係争の建物宅地の使用につきEが承諾を与えたとの上告人主

張事実は上告人の提出援用する全証拠によつてもこれを認定するに足りない旨の原

判示は、右Eの明示乃至黙示の承諾の事実を否定する趣意であつたこと記録に照し

一点の疑いを挟む余地なく、亦原判決の行文上容易に看取し得られるところであつ

て、此の点につき所論違法はない(論旨第五点)。論旨は理由がない。

論旨はまた地代家賃統制令の解釈を云うが、所論乙第一、第五号証は、昭和二五

年政令二二五号による改正前の同令一四条一項、同令施行規則八条に基き同令四条

一項の規定による停止統制額につき作成されたものであることが明かであるから、

その後改正施行された同令一四条一項、昭和二五年物価庁告示四七七号によつて始

めて家賃の停止統制額に代るべき額を純家賃額と地代相当額との合計額と定められ

た規定に基いて原審の解釈を非難する論旨はあたらない(論旨第六点)。その余の

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論旨はすべて、原判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背を主張するものと

認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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